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誂え

ご即位を祝う純国産の絹

| 純国産の絹

日本にとって着物は、大切な文化的財産のひとつだと考えています。暮らしの中で育まれた美意識、技を凝らした絹の着物は世界に誇る芸術品としても高い評価を受けています。

長い年月をかけ、全国の各地域でそれぞれの風土にあった染や織、装飾加工などが発展し、それらのすべてが着物文化を支えて来ました。それは同時に、人々の暮らしやアイデンティティに密接する、「衣」の文化そのものであったのかもしれません。

そんな日本の着物ですが、現在素材となる絹糸は99%以上が海外からの輸入に頼っているのが実情です。国内の養蚕農家が育てたお蚕から採れた繭で紡がれた絹糸、本当の意味での日本の絹である純国産の絹はごくごくわずかしかありません。

| 西予市の伊予生糸

純国産の絹糸、その中のひとつに伊予生糸(いよいと)があります。愛媛県西予市が主な産地であり、白い椿を意味する商標「カメリア」の通り、気品のある光沢が特徴とされています。その高い品質が評価され、古くから伊勢神宮や皇室の御料糸として採用されていました。

かつて四国の絹の町として栄えた西予市ですが、近年は生産農家は激減し高齢化も深刻な状態になっています。そんな中、地域の資源や伝統を次世代に引き継ぐべく平成31年に産官学連携の愛媛シルク協議会が設立その活動のひとつとして伊予生糸の復活を掲げました。この発表に際し、伊予生糸を使った生地「伊予絹」の打掛を誂えるプロジェクトがスタート。絹という共通の目的のご縁で弊社にお声掛けを頂戴し、製作をさせて頂きました。

国内の養蚕農家は残りわずかとなり、このまま眺めているだけでは日本の絹産業は途絶え、文化の礎を他国に頼る事になってしまいます。弊社では、日本の絹産業を存続させ後世に繋げたいと考えており、積極的に純国産の絹を活用し、発展させていく事を使命のひとつとして考えております。

| 御即位を祝う献上品

令和になって数年が経ちますが、ご即位一連の儀はまだ記憶に新しく思い出されます。この御祝いの節に全国の各都道府県より「御即位を祝う献上品」が用意されるのですが、光栄なことに愛媛シルク協議会の構成員のメンバーとして、献上品の制作にご協力をさせて頂きました。

愛媛県の材料「姫ひのき」「伊予生糸」を使用した2台1組のガラスネストテーブルです。

生地には金箔、プラチナ箔での地紋起こし、中央には天皇皇后両陛下のお印である「梓」と「ハマナス」をお入れしました。これをガラスに封入し「絹ガラス」として天板にご採用を頂いております。

愛媛シルク協議会の皆様はじめ、関係者の皆様へ改めて感謝申し上げます。このご評価に恥じぬよう、今後より一層高い質を目指して、ものづくりをして参りたいと存じます。

お二人のご成婚30年を記念する本の中にもご紹介を頂いております。

御即位5年 御成婚30年 新しい時代とともに―天皇皇后両陛下の歩み | 毎日新聞出版

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